防犯ガラスの種類と違い|方式ごとの向き不向きを比較

ガラス屋のカタログでは、防犯ガラス・強化ガラス・網入りガラスが同じページに並んでいます。
名前は似ていても、打ち破りに時間をかけさせることを目的に作られているのは防犯ガラスだけです。
防犯ガラスは、2枚以上の板ガラスの間に樹脂の中間膜を挟んで一体化した合わせガラスです。
叩いてひびが入っても膜がガラス片を保持するため、人が通れる穴を開けるまでに手数がかかります。
強化ガラスは割れたときに粒状になる安全のためのガラスで、侵入対策とは目的が別のものです。
本記事では、防犯ガラスの構造・強化ガラスや網入りガラスとの違い・中間膜のタイプごとの向き不向き・交換前に確認する4点を解説します。

防犯GET編集部
防犯GETは、家庭でできる防犯対策と防犯グッズの選び方をまとめているメディアです。防犯カメラや見守りカメラ、補助錠や防犯フィルム、センサーライトや防犯ブザーまで、メーカーが公開している仕様を確かめながら、用途ごとの向き不向きを書いています。
※本記事はAIの補助を得て作成し、編集部が校正しています。
防犯ガラスとは、中間膜でガラス片を保持する合わせガラス
防犯ガラスは、板ガラス2枚をポリビニルブチラール(PVB)などの樹脂膜で貼り合わせた構造です。
表面のガラスが割れても膜がガラス片をつかんだままなので、破片が落ちて開口部ができるところまでは進みにくい作りです。
バールでこじる手口や、一点を叩いて穴を開ける手口に対して、作業の回数を増やす方向に働きます。
中間膜の厚みは0.76ミリや1.52ミリという単位で表記され、カタログでは30mil(ミル)・60milという書き方も見かけます。
60milが約1.52ミリにあたり、侵入対策として案内されるのは1.52ミリ相当以上の製品が中心です。
防犯ガラスでも、ガラス自体は割れます。
守れるのは人が通れる大きさの穴が開くまでの時間であって、侵入そのものを止める保証ではありません。
時間がかかる状態を作って途中であきらめさせる、という考え方の製品です。
防犯ガラスと強化ガラス・網入りガラスは目的が別
強化ガラスは割れ方を安全にしたガラス
強化ガラスは、板ガラスを加熱してから急冷し、表面に圧縮の力を持たせたものです。
同じ厚みの板ガラスより曲げには強い一方、割れると全体が粒状に砕けます。
一点に衝撃が集まると一気に崩れるため、打ち破りへの備えにはなりません。
浴室のドアやテーブルの天板に使われるのは、割れたときのけがを小さくする目的です。
網入りガラスのワイヤーは防火のため
網入りガラスのワイヤーは、火災のときに破片が脱落して炎が回るのを抑えるためのものです。
ガラスの強度を上げる部品ではないので、防犯ガラスの代わりにはなりません。
延焼のおそれがある場所では法令で網入りが求められることがあり、その窓を防犯仕様にしたいときは、防火の条件も満たす製品があるかを業者に確認してください。
複層ガラス(ペアガラス)は断熱のための構造
複層ガラスは2枚のガラスの間に乾燥空気やガスの層を作り、熱の伝わりを抑えたものです。
中身は空気層なので、そのままでは侵入への抵抗は増えません。
断熱と侵入対策を両立させたい窓には、片側に防犯ガラスを組み合わせた防犯合わせ複層ガラスという選択肢があります。
防犯ガラスの種類は中間膜の厚みと素材で分かれる
樹脂膜を厚くしたタイプ
いちばん多いのは、PVBなどの樹脂膜を2枚のガラスで挟み、その膜を厚くしたタイプです。
0.76ミリ相当は飛散防止に近い位置づけで、侵入対策では1.52ミリ相当以上が案内されます。
膜が厚くなると総厚と重量も増えるので、既存サッシの溝に収まるかどうかが交換できるかを分けます。
ポリカーボネート板を挟んだタイプ
樹脂膜と組み合わせて、ポリカーボネートの板を中間層に入れた製品もあります。
膜だけのタイプより中間層が硬く、こじ開けようとする力に対して形が崩れにくい作りです。
そのぶん総厚が増え、重さも出ます。
開閉の多い掃き出し窓では、戸車やサッシへの負担も見積もりのときに相談してください。
タイプ別に向いている窓と、向かない人
| タイプ | 構造の特徴 | 向いている窓・人 | 向かない人 |
|---|---|---|---|
| 中間膜0.76ミリ相当 | 樹脂膜が薄い合わせガラス | 台風や地震での飛散を抑えたい窓 | 侵入対策を目的にする人 |
| 中間膜1.52ミリ相当以上 | 膜を厚くした合わせガラス | 道路から見えない側の窓、庭側の掃き出し窓 | 費用を最小限に抑えたい人 |
| ポリカーボネート板入り | 中間層が硬く総厚が大きい | 勝手口や1階の腰高窓の抵抗を増やしたい人 | 重量増を避けたい大きな引き違い窓 |
| 防犯合わせ複層ガラス | 防犯ガラスと空気層の組み合わせ | 断熱も同時に上げたい窓 | 溝幅の狭い古いサッシのままにしたい人 |
工事の承諾が取れない賃貸の住まいでは、ガラス交換そのものを選べません。
窓の枚数が多くて全部は替えられないときも、優先したい窓だけを防犯ガラスにして、残りは別の手段で補う組み合わせが現実的です。
CPマークは「侵入に5分以上耐えた」試験の結果
CPマークは、警察庁・国土交通省・経済産業省と民間団体が参加する官民合同会議の基準を満たした建物部品に表示される表記です。
基準の中心にあるのは、工具を使った侵入の試みに5分以上耐えたという試験結果で、破られないことの保証ではありません。
認定はガラス・サッシ・錠・ドア・面格子・シャッターと部位ごとに分かれています。
ガラスだけをCP認定品に替えても、クレセント錠(引き違い窓の中央にある半月型の締め金具)ひとつだけの状態なら、抵抗が増えるのはガラス面に限られます。
窓に鍵を足すかどうかは防犯カギの選び方で解説しています。
防犯ガラスと防犯フィルム、どちらを選ぶか
防犯ガラスはガラスそのものを入れ替える工事で、施工は業者に頼みます。
防犯フィルムは既存のガラスに貼るため、賃貸でも管理会社の承諾が取れれば選べます。
判断が分かれるのは、工事ができる住まいかどうかと、対象になる窓の枚数です。
フィルムを選ぶなら厚みを見てください。
侵入対策として案内されるのは350マイクロメートル以上で、50マイクロメートル前後の飛散防止フィルムは破片の飛び散りを抑える製品です。
売り場が同じなので取り違えが起きます。
厚みごとの違いは防犯フィルムのタイプ別の基準、貼っても抵抗が増えにくい条件は防犯フィルムの効果とデメリットで解説しています。
防犯ガラスへの交換前に確認する4点
ガラスだけを替えられるかどうかが最初の分かれ目です。
防犯ガラスは総厚が増えるので、サッシの溝幅に収まらなければ、サッシごとの交換やカバー工法が必要になります。
築年数の古い引き違い窓ほど、この確認が先に来ます。
寸法は業者に採寸してもらってください。
ガラスは框(かまち)に差し込まれている部分があり、見えている面だけを測ると小さく出ます。
3つ目は、どの窓から替えるかです。
道路から見えない側の窓、庭に面した掃き出し窓、勝手口のガラスが、人目の届きにくい順に候補になります。
勝手口まわりの優先順位は空き巣対策の防犯勝手口で解説しています。
4つ目は見積もりの出し方です。
CP認定品を希望するのか、中間膜の厚みはどれにするのかを条件として書いて複数社に依頼すると、比べられる形の回答が返ってきます。
交換したあとに残る手間と限界
手入れは普通のガラスと変わらず、拭き掃除で足ります。
ただ、割れたときの再手配には時間がかかり、特注寸法だと仮復旧の期間が挟まります。
窓を1枚だけ防犯仕様にしても、隣の小窓や面格子のない開口が残っていれば、そこが手薄な場所になります。
窓まわりに足せる道具は防犯グッズ窓の取扱いの違いで解説しています。
よくある質問
防犯ガラスにすれば空き巣は入れなくなりますか
入れなくなるとは言えません。
防犯ガラスが担うのは、穴が開くまでの時間を延ばして途中であきらめさせる方向の抑止です。
窓の鍵、玄関の錠、周囲の見通しと組み合わせるのが前提になります。
賃貸でも防犯ガラスに交換できますか
ガラスは建物の一部なので、貸主か管理会社の承諾がなければ替えられません。
承諾が取れない場合は、原状回復のしやすい防犯フィルムが現実的な候補です。
ペアガラスの家でも防犯ガラスにできますか
片側を防犯ガラスにした防犯合わせ複層ガラスがあります。
総厚は増えるので、既存サッシに収まるかどうかを採寸のときに確認してください。
網入りガラスは防犯ガラスの代わりになりますか
なりません。
ワイヤーは火災時に破片が脱落するのを抑えるためのもので、侵入への抵抗を増やす部品ではありません。
防火の指定がある窓は、防火と防犯の両方を満たす製品があるかを業者に確認してください。
まとめ
防犯ガラスは、中間膜でガラス片を保持し、穴が開くまでの時間を延ばす合わせガラスです。
強化ガラスや網入りガラスは目的が別で、置き換えにはなりません。
選ぶときは中間膜の厚みを1.52ミリ相当以上から見て、サッシに収まるかどうかを先に確認してください。
ぜひ本記事のタイプ別比較表と交換前に確認する4点を参考に、どの窓から手を付けるかを決めてください。





